七陣 締切り戦士ミホ 〜のぶこ星人の逆襲〜 【後編】 04年 ぷにけっと 10

 

という感じで締切り地獄をひとつ乗り越えたミホ。

おじゃホイ2の打ち上げではすっかりいい気になっており、うかれぽんちです。

打ち上げ代で4〜5万くらいかかっており、それを眺めながら

「あー よかった。 こんなの一人で払ってられませんまさお!」

と胸をなでおろしておりました。

 

だけどみほくん。

チミはまだ安心するのが早すぎる!

 

「で、みほみほ。 一週間後のコピー本なんだけど」

「あ… ホントに出すのね…(大汗)

で、今度はどんな内容なの? ってか何ページ??」

「わかんない」

「…え、わかんない、って…?」

「みほみほ、何描きたい?」

「…え、何描きたい、って…?」

「あのねみほみほ。 ぶっちゃけ、コピー本は作る事にしてるけど、

まださっぱ内容決めてないの」

 

そうです。 そうなんですみなさん。

のぶこ、前回のおじゃホイ2中にコピーの内容を決めておきたいと思ってましたが、

さっぱ考えてませんでした。

つまり、あと一週間後に出す本の原型は、この時まだできてなかったのです。

 

というわけで、今回ののぶみほイベント日記は特別スペシャル!

『一週間でコピー本を作ってみよう!!』

 

 

〜イベントまであと6日〜

とにもかくにも、ネタを考えてみよう☆

 

「だから、みほみほの描きたいものって何!?」

「え、えっとー、エロっちぃってゆうかー、なんてゆうかー」

「のぶみほは健全な同人誌しか作らないのよ!!」

 

ポイント・1

同人誌というものは、本来『描きたいものがあって』という状況から生まれるものです。

このように、目的と手段が逆になっている場合は非常に辛いです。

みなさん、描きたいものがある時だけ、同人誌を作るようにしましょう。

このように、最初から思いっきりつまずいてしまいます。

 

 

〜イベントまであと5日〜

とにもかくにも、天啓に頼ろう☆

 

「みほみほ、本の内容が決まったわ」

「えっ、本当!?」

「ふふふ、まあこのネームを見て頂戴」

「どれどれ…」

「…」

「…」

「ふっ。 これぞ天啓

「…あ、あの… これ…(汗)」

 

ポイント・2

天啓、というと何か素晴らしい案が出たような気がしますが、

その99%は電波と呼ばれるを指します。

人間、苦し紛れになるとどんな物事でも笑ってしまうといいますので注意しましょう。

ちなみに電波な内容になると、オチも意味も全く不明状態になります。

これが同人誌用語で言う『やおい』本という奴です。

まナシ チナシ 味ナシ)

 

 

〜イベントまであと4日〜

さあ原稿だ!

 

「みほみほ! 早速だけど原稿もう2ページは」

「……」

「みほみほ…?」

「………(大汗)」

「み、みほみほーっ!!??」

 

ポイント・3

作画は取っ掛かりが命。 とにもかくにもまずはペンを取れ!

このみほみほの場合、先週までの締切り地獄から仮釈放された形にあるので

すっかりフヌケ状態。 アンド、もう戻りたくない状態。

仕事を一つ終えた後は、ひたすら危険です。

モチベーションアップをまずはなんとか図りましょう。

 

 

〜イベントまであと3日〜

ほら、もう3カウントが始まっている!!

 

「前回は、一日5P書いたわよね? みほみほ?」

「は、はい」

「じゃ、、今回もイケるわよね? みほみほ!??」

「が、がんばります」

 

ポイント・4

前回スケジュールで一日何P描いた、などという、

過去の出来事は忘れてください。

再びできると思わないようにしましょう。

作家は経験値を手にしているかもしれませんが、決してそれでレベルが上がる訳ではありません。

結局、その日暮らしの日雇い賃金で生活しているかのように、

明日また今日と同じ生活ができるとは限らない、の意識を持ちましょう。

とにかく描く方は全力を尽くしましょう。

 

 

〜イベントまであと2日〜

あーもう明日しかないよ?

 

「あー、これ完全にオゴリだね

「…うぐ…」

「今回のぷにけは人が集まるだろうから、前回よりいくだろうな

「うぐぐ…」

「安心してみほみほ。 私、困ったらお金貸すから。

そのために銀行からなけなしの貯金をおろしてきたわ。

まあ、6万あればなんとか足りるかしら。

お金がないからオゴレない、って事はないはずよ、みほみほ」

「うぐぐぐぐぐぐ…」

「当然、利子は一月一割の親友契約でいいからね♪」

「ぎゃぼー!! おごらない!! 

おごらないってばあー!!!」

 

ポイント・5

呪文は大切です。

ここぞという時、力を振り絞らせる禁断の呪文を覚えておきましょう。

みほみほの場合は、うかつに契約してしまった『落としたらオゴリ』の『オゴリ』です。

効きます。

馬の尻を叩くムチ、背中に背負わせる川は、絶対に効き目があるものを用意しましょう。

あまりにも大きすぎたり痛すぎると却って逆効果なので、その人に適したものを選ぶのが大事です。

 

 

〜イベントまであと1日〜

さあ、追い込みだ!!

 

「…」

「…」

 

ポイント・6

もはや言葉は要りません。

出来るにしろ出来ないにしろ、ここまで来ればもうゴールは見えているはずです。

余計な事をくっちゃべってないで、ひたすら原稿完成に最後の全力を振り絞りましょう。

 

 

 

 

「で、できたぁ〜!!」

よしっ! みほみほ、まだ始発で来ればこっちで製本作業が出来るわ!

早速出発してちょうだい!! ギリギリよ!!」

「ら、らじゃー!!」

 

というわけで、今回なんとか危なくなりながらも夜明け前に原稿完成。

今回のぷにけっとの会場はのぶこ基地から近いので、この深夜にみほみほが

始発でこっちに来れば、なんとか会場製本もしないで済む計算。

ふう、やれやれ…。

 

ちょっとふと思ったので、おそらく電車の中であろうみほ先生にメールを打ってみる。

 

(送信)「ところで何部作るの?」

(返信)「120部」

 

でたよ…。

前回より10部少ないとはいえ、このギリギリスケジュールに何故その数を選ぶのか…。

というわけで、のぶこその辺もきっちりぬかりはありません!

こんな事もあろうかと、製本作業に助っ人Kさん(永久仮称)を召還しておきました!

ちなみに彼は長旅で疲れておいでで、しかも寝てないようですが、

ウチらの本の為に死んでいただきましょう。

 

Kさんをコキ使いながら、みほ先生が徹夜でとろけたハイテンションな脳で刷って来た大量の紙を、折る折る。

黙々と折る。 折りまくる。

 

ポイント・7

イベント前のこうした製本作業は、一種の前夜祭です。(朝だけど!)

ブツブツと文句も言いたくなりましょうが、苦心して描けた原稿が本になっていく様をありがたく見守りましょう。

(手伝いの人は自分が描いた気になってシンクロしてあげましょう)

 

 

 

…折るが、やはり半分くらい本が出来たところで時間が足りなくなる。

 

「みほみほ、このままだと会場入りできないわ」

「う、ううっ。 どうしようのぶちゃん…」

「仕方ないから、こうしましょう。

みほみほ一人だけ、先にこのできた分を持って会場入りして。

私達はここで製本して、後から残りを持って駆けつけるわ。

とにかく定時には入ってましょう」

「そ、そうね… そうするしかないわね…」

 

と、みほみほがカバンをごそごそやってると、何だか彼女の顔色がどんどん青くなってきているわ。

のぶこ、めっさヤな予感がします。 聞くのが怖いけど、聞くしかありません。

 

「…みほみほ、どうしたの?」

「えっ!? あっ、え…」

「…」

「…の、のぶちゃん、どうしよう…

サークルのチケット、ウチに忘れてきちゃったぁー!!!」

 

へー

って、このウカレポンチの助がぁー!!!!

それ無いと、会場入れないじゃないのぉぉぉ!!!

 

嗚呼、だから何でこういつも何かしら日記のネタ作りするのかしらこの娘はッ!!

もういい… もう知らない…

 

「みほみほ」

「へ、へい」

「土下座よ」

「へっ?」

「…ぷにけっとのスタッフのみなさんだって、人間のハズよ。

みほみほが、誠心誠意を込めて土下座すれば、きっと入れてもらえるはずよ!」

「そ、そうかなあ…」

「大丈夫!! みほみほ、土下座得意じゃない!!

…そ、そっか!! なんか、いけそうな気がしてきたわ!!

…よし、時間も無いから行ってくる!!」

「健闘を祈る!! みほ隊員っ!!

私も折ってすぐ行くわ!!」

 

…と、まあとりあえずみほみほを先行させ、私とKさんは残った本を黙々と製本。

「いつもこうなんですか?」

というKさんの言葉を軽くスルーして、ぷにけっとの会場が開いた時間には、製本完了。

 

「よし、できたっ。 じゃKさん、朝ごはんでも食べてゆっくり行きましょうか。

みほみほには12時くらいに行くって言ってあるから」

「そうですね」

 

と、私とKさんは本を持ってゆっくりと会場へ向かう。

途中、私の携帯が震えるので取ってみる。

みほみほからのメールだわ。

 

『おねがいすぐきて たいへん』

 

見なかったことにする。

 

「Kさん、天丼でも食べましょう」

「今、みほ先生からですか? 携帯」

「ううん、違うわよ」

 

お昼も近い。 これから会場だし、腹が減っては戦も出来ぬ。

私とKさんはおいしく天丼をいただいたわ。

 

『列できてる はやくきてー』

 

食事中に、無粋なメールね。

おなか一杯になったところで、私はゆったりと電車にのって、ゆったりと会場入りをしたわ。

うーん、予定の12時ピッタリ。

 

「やっほー、おまたせ」

 

そこにはみほ先生と、なぜかとばっちりで売り子をさせられた巨乳さん(仮称)が憔悴してぐったりしていたわ。

 

「何よ、『列できてる』とか言ってたからビックリしたけど、そんなのないじゃない」

「…今…無くなったから…」

「え?」

「今… コピー本なくなって… 列も…」

「あー、そうなのね。 やだ、私ってグッドタイミン♪

「…のぶちゃん… もっと早くきてよ… 何してたの?」

「あ、うん。 天丼食べてた

「…」

「…」←巨乳さん

 

何か言いたそうな目でブースの二人が私を見たけど、気にしない気にしない。

あー、ついにこの『無国籍戦士あいこ』がここに並ぶ日がやってきたのね!

これは張り切るしかないわよ!! みほみほ!!

 

「さ、みほみほ、頑張るわよ!!」

「…」

「ホラ、みほみほっ!!」

 

ポイント・8

本を作るのは何のため?

そう、イベントを楽しむため、たくさんの人に見てもらうため、ですよね。

当日のお祭りにそんな疲れたテンションじゃダメダメ!

さあ、待ちに待ったイベントです! 楽しく参加しましょう!!

 

 

 

というわけで、この秋の連日イベントは見事失敗無く、落とした本も無く、

無事に終了!!

 

逆算してみると、約半月で描いた同人誌4冊。

P数にしておよそ80P。

いやー、やれば出来るものってゆうかなんてゆうか、

やっぱもっと余裕もって描こうよみほみほ…

 

 

P・S

ちなみに、土下座したらちゃんと入れてもらえたそうです。

 

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