四陣 まんがなんて飾りですよ! エロい人にはそれがわからんのです! 03年 コミックマーケット冬

 

 

同人誌即売会と言えば、真っ先に思い浮かぶのが年に二回あるコミックマーケット。

いわゆる、コミケ。 次のイベントはその冬のコミケね。

ちなみに、あまりにも幅広い参加層、そしてジャンル、規模の大きさから、

コミケは毎回参加サークルさんの応募が殺到して、抽選になります。

そこで当選、落選などあってサークルとして参加できたりできなかったり、とあるのですが…

さて、この冬のコミケ、通称冬コミに参加申し込みしたのは夏コミの直後。

つまり、まだのぶみほがサークルユニットとして活動してない時なの。

ってわけでのぶこはのぶこ、みほはみほの個人サークルで申し込んだわけだけど…

のぶこは、落ちました。 でも、みほみほは受かったのね。

名前はのぶみほ新作工房、じゃないけれど、この受かった一つのスペースを、

のぶみほとして使いましょう、と、みほみほは快く言ってくれたわけ。

 

『ってゆうかさ、みほみほ』

『ぬぁ〜にぃ、のぶちゃ〜ん?』

『…でも、一応、これってみほみほのスペースなんでしょ?

ブランドは『Chaotic rune』よね?』

かんけーない、かんけーない。

のぶみほ新作工房で、いいじゃな〜い』

『…いやさ、ま、それでもいいんだけど。

いいんだけど。

…なのに、何で…

今回、私だけがこんなに必死こいてのぶこ個人誌作ってるの?

 

そう。 今回、なぜか受かったサークルはみほみほなのに、

切羽詰ってるのはのぶこでした。

のぶこものぶこで『戦乙女おさげ屋』とゆうサークルを持っているのだけど、

今回は落ちてるのよね。

…なのに何で、私がこんなに…必死になって、オフセ本の原稿描いてるのかしら!?

 

『だってー、のぶちゃんの『瀬川おんぷ偶像日記』、あんなにお客さんに

せかされてるじゃなーい。

この前のぷにけやホイ!の時に、『冬には出します』って言っちゃったでしょ〜

『…たしかに言ったけどね。 けどね?

でも私のサークル落っこちたんだから、別にそれはそれで出なくても仕方が…』

甘い!! そんな精神じゃ甘すぎるわよ!! のぶちゃん!

あんなに楽しみにしてる人を、そんな理由で裏切るの!?

私達のサークルは、そんな姿勢でいいのっ!! のぶちゃん!!

 

くっ!! …た、たしかにみほみほの言う通り…

…言う通りなんだけど、なんかみほみほに言われると釈然としないものがあるわっ!

 

『とにかく、明日入稿なんでしょ?

せっかくこうしてこの私がアシスタントに来てあげてるんだから、

ばばっと頑張ろうよっ!』

『そ、そうね』

 

作画に関しては私の遥か上を行くみほみほが、なんと今回私のアシ。

そこまでしてもらっちゃ、私も挫けてらんないわ。

な、なんとかこの本… 完成させるっ!!

 

『どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

『…』

(マヨイ:それはちがうんじゃない、なるほどくん!)

『そこぉ!! 逆転裁判やってる場合じゃないぃぃぃっ!!』

 

と、私の火事場のバカ力とみほみほの助力もあって、なんとか本は完成。

入稿も済んで、後はイベントを待つのみになったのね。

 

『…ふう。 ま、これで私の方は終わったわ。

後は、みほみほね

『へ? 私?』

『…、じゃないわよ。 今度はみほみほの本作らなきゃいけないじゃない。

みほみほの本、ってーか、のぶみほの本

『え? 何で? いいじゃない、のぶちゃんの本あるし

『…え?』

 

ちょっと待ちなさい、みほ先生…。

 

『…いや、あのね? でも、まがりなりにも、当日のスペースはみほみほスペースよ?

みほみほの本が無いと、ちょっとおかしくない?』

『だいじょーぶだいじょーぶぅ』

 

みほみほ、何かを安心しきったかのようにどーんと構えています。

…。

え、いいの? これ? 私、宇宙最高裁判所にジャッジメント求めちゃうわよ?

え? いいの? ねえ、いいのっ!???

 

…。

 

当日。

ホントに私の本だけじゃん…。

あ、一応ね? 今まで作ったコピー本の増刷もあるけど。 (勿論会場製本)

でも、モノの見事に私の本だけじゃん!

なんか、このスペースに来るお客さん、カタログの絵と本の内容照らし合わせて

首を捻ったりしていくのを見るの、すっごく居心地悪いんだけど! みほみほ!

 

えーと、誰がいいですか? どれみちゃん?

エロどれみちゃん?

 

…この人は、さっきからもうお気楽にスケッチブック係だよ…

ま、こういうのもイベントってやつなのかしらね。

本とかは無いけど、こうやってお客さんのリクエストにリアルタイムで答えながら

その人だけのオーダーイラストを描いてあげる。

こうゆうのも、同人活動の面白みなのね。 お客さんにしてみれば。

そう。

マンガなんて、飾りなんです。

…ムナシイ…。

 

のぶみほ、2003年の激動だったデビュー4ヶ月は、こうして暮れていくのでした…。

 

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