プロローグ 〜のぶことミホのなれそめ〜 ◆ 03年 コミックマーケット夏 ◆
なれそめ、って言ってもねぇ。 そう、いわゆるアレよ。 私はお話を書くのが好き。 みほみほは絵を描くのが好き。 私は絵を描くのが面倒くさくて、みほみほはお話をカタチにするのが面倒。 ほら、必然だと思わない? なにより、二人の感性っていうの? そういうのがピッタリしたみたい、 と、みほみほは言ってるけど、私はすっごく軽〜く、 『ほっほっほ。 こいつぁいい絵描き奴隷が手に入ったわい』 なーんてほくそ笑んじゃったりなんかしてたのは秘密よ。 とりあえず、そんなこんなで『だったら、二人で組んでみないっ!?』ってなるのは 必然ってゆーか、私が楽するためにもみほみほは必要だったわけで。 うまーく口車に乗せて、『のぶみほ新作工房』の母体が誕生したのよ。
でね、この時はたしかもう6・7月にはなってたのかな? とにかく、『8月のコミケはムリだから、次のイベントからにしましょう』って。 そーゆー話だったわけ。 私も最後の自力作画のつもりで、夏の本を描いていたわ。 どうせだからカラーのオフセにしてやれって、ちょっと張り切ってたりしてね。 みほみほの方も、この時描きかけの話を抱えてて。 えっと、どれ×こたの本。 ああ、エッチなのじゃないわよ。 ってゆうか、それ本当は2月の卒業イベントの時に出す予定だったらしいんだけど、 なんか思いっきり落っことしたみたいで。 途中までのコピー本を売ってたっけ。 私が初めてみほみほに会ったのもそこね。 だから、夏はそれを出さなきゃならないしね。 お互い頑張ってオフセろう! っていってたわけ。
ところが。
もうコミケも近い8月。私がみほみほに、
『イエーイ、原稿上がった? 私入稿しちゃったわよーん』
って言ったら、
『…ムリ… もう間に合わない』
って。
…はっ!? ちょっと待ちなさいみほみほ!!?? それ、その本、2月の時点で大体進んでたんでしょ? え? あれ? 何で完成… してないの!??
『そんなこといったって、できてないものはできてないんだもん!』
逆切レされたって…。
『え、そしたら夏… また中途半端本出すの?』 『そんなことしたら人として恥ずかしいっ! それはやだ!』
わがままだし…。
うーん。 …しょうがないわね…。 まあね、今回はいくら別々でまだユニット結成してないって言っても、 困ってる相棒を見捨てられる私ではないわ。 ってことで、
『…じゃ、私が何かコピー本のネタ出してあげよっか??』
って助け舟よ。 みほみほ、それはもう小躍りしながら喜んでくれたわ。 ふ、まあ、こうやってみほみほの忠誠度をあげて、飼いならしておかなきゃね。 なーんて心境もヒミツヒミツ☆ 菩薩のような暖かい友情で、私はネタ出しを。
『どういうのがいい?』 『みじかいやつ』 『誰描きたい?』 『うーん、誰でもいい』 『どんな話がいい?』 『おもしろいやつ』
わかるかぁー!!!! …いや、落ち着け落ち着け。 ふう。
『…じゃ、みほみほは誰を一番描きたいの?』 『うーん、じゃ、ハナちゃん』
それを聞いて、私はちょっとアイデア出し機をぐるぐる回したわ。 そしたら出たのが、例の『ハナちゃんちゅうがくせい!』だったわけ。
『ちょっと今からだとページ多いかもしれないけど、間に合う?』
ネームを切って(この辺りの作業手順は別コーナーを見てね)困ったちゃんに渡すと、
『あー、平気平気! これならいけるわ! ラクショー!』
と、豪気なお返事。 たしかこの時、大体10日余りで10p以上描かなきゃならなかったと思ったけど、 そういうペースで間に合うくらいのスピードなのね。 さすがはみほみほだわ。 私は感心。 …。 ってゆーか、だったらオフセ本ド楽勝であげられるじゃないっ!??
で、コミケ当日。 みほみほの様子はどうかいな、と私が彼女のスペースに行くと… なんと、ここでコピー本を折っていますよ。
『あ、みほちゃん。 間に合ったよー 本』
できてなーい!! それ間に合ったって言わないからー!! ああっ、もうしょうがないっ! 私はみほみほから折られてないページを何部か奪うと、 自分のスペースに持って帰って折ってあげたわ。 まあ、この本は私もちっとは関わってるので、他人事じゃないしね。 そういう風に、微笑ましくコピー本を会場製本する私たち。 そう、私はまだ気付いていなかったのです…。 この、忌まわしきのぶみほ伝説の『ムチャ製本』の面影が、この時既に現れていたことを…。
ちなみに、『ハナちゅう!』は全部売れちゃったそうです。 よかったね、みほみほ。
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